日本イオン交換学会誌
λ-MnO2粒状吸着剤を用いた海水からの高選択的リチウム回収プロセス
喜多條 鮎子M. HOLBA鈴木 拓西浜 章平吉塚 和治
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16 巻 (2005) 1 号 p. 49-54

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抄録

海水中のLi+を選択的に回収するために, スピネル型酸化マンガン系の粒状吸着剤を開発した。この吸着剤は出発物質であるLi1.5Mn2O4中のLi+を, 塩酸水溶液中のH+とイオン交換することで調製した。吸着剤のXRDパターンを解析した結果, リチウムの吸脱着には, 結晶軸長の変化が関与していることが示された。また, キチンを主成分とするバインダーを用いて, 数mm程度の高密度の粒状吸着剤を調製する造粒法を開発した。模擬海水を用いて, 粒状吸着剤を充填したカラムによる吸着実験を行ったところ, 海水中に大量に存在する共存カチオンの影響をほとんど受けることなく, Li+のみを高選択的に吸着分離することができた。その後Li+を吸着したカラムから, 1mol/dm3塩酸溶液を用いて溶離することによって塩化リチウムを高濃度で回収することに成功した。さらに, 佐賀大学海洋エネルギー研究センターに設置したパイロットプラントを用いたリチウム回収実験を行った結果, 140トンの海水から27.69の塩化リチウムを回収することに成功した。

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