「複数官能基+スペーサー」という抽出剤設計コンセプトで合成した二座配位抽出剤の中でランタノイド元素認識能が非常に高かったに抽出剤ついて分子モデリングを行い, その認識能と計算により得られるひずみエネルギーとの関係を調べた。その結果, 抽出剤の分離性能が錯体構造のひずみエネルギーの差によって説明できることが明らかとなった。すなわち, スペーサーの分子構造によって変化したランタノイド元素錯体構造の立体的な因子が, 分離性能の向上に大きく寄与している。このように, 立体的な因子の影響を表現できる分子力学法を用いて, 新規高性能抽出剤の分子設計を行うことの有用性について解説する。