日本イオン交換学会誌
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PEFC用イオン交換膜表面物性測定技術の確立
(水蒸気収着量ならびにプロトン伝導度同時測定)
吉田 将之郷本 隆之仲井 和之
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2006 年 17 巻 3 号 p. 101-108

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抄録

固体高分子型燃料電池 (PEFC) における高分子電解質膜 (PEM) 開発にとって, 実際に稼動している燃料電池の作動条件に合わせて水蒸気収着量ならびにプロトン伝導度を測定することは非常に重要である。従来これらの測定を行う場合, それぞれのデータは別々の装置を利用することによって得られていたため, 多大な時間とコストを要していた。また, これらのデータを取得するにあたり安定したデータを取得するための統一的な方法がなく, プロトン伝導度においては湿度100%以下での測定や膜を水中につけた後, いつ測定を開始すればよいかという点が明確ではないため, 様々な条件下での膜の特性を高い信頼性を持って正確に評価することが困難であった。そこで当社ではこれらの問題を解決し, PEMの統一的な評価方法を達成すべく, 様々な条件 (測定温度; 298-473K, 測定湿度; 0-95%RH, 測定圧力; 大気圧-1.0MPa) での膜の水蒸気収着量ならびにプロトン伝導度の同時測定装置 (MSB-AD-V-FCTM) を開発した。この方法は, 単一チャンバー内で流通式重量法による膜に対する水蒸気収着平衡を確認後, 4端子による周波数挿引法によりインピーダンスを測定しプロトン伝導度を取得することにより安定かつ再現性の高いデータを取得するというものである。この方法により, イオン交換量の異なる膜や, 厚さの異なる膜の伝導度を平衡状態下で測定することができるばかりでなく, 膜の水分平衡収着量および平衡到達時間を同時に把握することができるようになった。また, これらの方法は全自動測定ソフト (BEL-FCETM) で制御されるため, 膜セッティング後, 任意の測定条件設定のみで前処理から測定および結果明示まで全データを取得することができる。

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