日本保健医療福祉連携教育学会学術誌・保健医療福祉連携
Online ISSN : 2434-4842
Print ISSN : 1883-6380
地域包括支援センター業務における司法ソーシャルワーク機能
司法専門職との連携機能に関する職種間の認識差に着目して
田中 結香 望月 宗一郎渡邊 隆文鷲野 明美
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2018 年 11 巻 2 号 p. 131-138

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抄録

【目的】司法専門職との連携・協働の必要性に対する地域包括支援センター社会福祉士の認識について明らかにすることを目的とした。 【方法】A県の地域包括支援センター職員207人を対象に,基本属性のほか,司法ソーシャルワークに関することや司法専門職との連携に対する認識等を把握するために無記名自記式質問紙調査を実施した。なお,本研究は,筆者が過去に報告済みの調査データを用い,社会福祉士と社会福祉士以外の職員の2群に分けて再度分析したものである。 【結果】有効回答は123人(59.4%)であった。司法専門職と連携した経験があるか,または他職種と連携する意欲はあるかの質問に対し,職種間に有意差が見られ,社会福祉士の連携意欲が高かった。日頃の成年後見活動や研修会への参加が連携のきっかけとなっていた。 【結論】司法専門職と連携する機会が増えることで連携の意欲も高まる。互いに交流する機会を増やし,相談し合える関係を強化することが円滑な多職種連携実践(IPW)に繋がると考えられた。また,社会福祉士がIPWを推進していくために,司法専門職との連携を図る際のキーパーソンとなり得ることが示唆された。

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