本研究では、視覚障がい者の老後の生活に対する意識調査および施設等の受け入れ体制に関する現状調査を実施し、視覚障がいのある高齢者が自立生活を行うために必要な支援機器および障がい高齢者に対する支援体制の在り方の検討・提案を行った。具体的には、視覚障がい者の高齢化の現状調査、老後の生活に対する不安や要望に関するインタビュー調査、高齢者入居者生活の不便やニーズ、高齢者施設における視覚障がい者の受け入れ体制に関する実態調査を行った。その結果、要支援レベルの視覚障がい高齢者が自立生活を行うための要望とそれを受け入れるための高齢者施設が配慮すべき項目として、(1)施設設備、(2)共同生活、(3)視覚障がいへの理解の3つが抽出された。また、施設側の対応サービス、共同生活を行うための技術導入、相互理解、地域サポートの必要性に関する課題と解決策を提案した。