2015 年 17 巻 2 号 p. A1-A12
大田区では、全ての区民が利用しやすい施設整備に取り組んでいる。しかし、区が抱える大規模改修の困難な既存施設を、いかにしてユニバーサルデザイン化していくかが大きな課題であった。そのモデルケースとして大田区役所本庁舎のユニバーサルデザイン化に取り組み、施設改修においてPDCAサイクルを実施してきた。多様な障がい当事者の集う区民団体と連携して、意見交換や調査、検証を継続させ、晴眼者だけでなく弱視者や全盲者も利用しやすい庁舎へと改修を進めた。本研究では、これら一連の改修において実施されたPDCAサイクルの取組過程から得られた知見や課題、PDACサイクルが実施できた要因について考察するものである。