福祉のまちづくり研究
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Print ISSN : 1345-8973
見やすい標示位置に関する立位と車椅子坐位の比較研究
徳田 良英布田 健
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キーワード: 標示位置, 立位, 車椅子坐位
ジャーナル オープンアクセス

2002 年 4 巻 1 号 p. 27-33

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抄録

標示を見るときの立位と車椅子坐位の姿勢の違いによる仰角、標示の見やすい位置および頸部の負担感について人間工学的実験により比較した。その結果、1)同一の標示位置に対して車椅子群が立位群に比べ概ね仰角が大きかった。2)標示位置が水平距離1.8m・高さ2.5mおよび水平距離5.4m・高さ2.5mの場合、車椅子群が立位群に比べ見やすさの評価が低かった。3)標示位置が水平距離1.8m・高さ2.5mの場合、車椅子群が立位群に比べ頸部の負担感が高かった。標示高さが1.5mおよび0.5mでは水平距離に関わらず見やすさ、頸部の負担感に両群間の差がなかった、等がわかった。東京都福祉のまちづくり条例設備マニュアル等では歩道の有効幅員が2.0m未満の場合、歩道上の案内標示は歩行者の安全確保の観点から標示板の下端高さは2.5mを基準としている。本実験の結果から、この基準では車椅子坐位で標示を見る場合、見づらい位置であることが示唆された。

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