固/液界面の構造は、鉱物表面における電気二重層の実態、粘土鉱物の分散・膨潤、毒性元素の収着、元素分配、断層岩の摩擦係数と直接関連して重要である。バルク状態と構造・物性が異なる液体は固体表面から数分子層程度と考えられており、ナノメートルスケールの分解能を持つ研究手法が必要である。白雲母/0.5 M NaCl水溶液界面の構造解析を1Å以下の分解能で行うため、X線CTR散乱法と分子動力学(MD)計算を組み合わせた研究を行った。X線CTR散乱法により得られた横軸がQ [Å-1]、縦軸が構造因子[a.u.]のプロファイルは超純水とNaCl水溶液の実験で明確な違いがあり、雲母/NaCl水溶液界面の構造が雲母/超純水界面の構造と異なることが明らかになった。解析の結果、白雲母表面から約15 A程度までNaCl水溶液の電子密度の振動があり、この電子密度は水和Naイオンと配列した水分子に由来することがわかった。