日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本地質学会第118年学術大会・日本鉱物科学会2011年年会合同学術大会
セッションID: T2-05
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T2:月の地質探査と地球物理探査:アポロからセレーネ2まで
アポロ試料の主要元素組成に基づく宇宙風化度の定量
*太田 亨Fagan Timothy天野 嘉春長谷部 信行
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キーワード: , アポロ試料, 宇宙風化
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抄録

 月探査においては,宇宙風化作用による二次的改変の影響を受けていない元来の岩石組成を測定することが重要となる.本研究では,月面上において宇宙風化の程度を定量する目的で,主要元素組成に基づく宇宙風化度の指標を提唱する.本研究では,アポロ試料の主要元素データ標本空間の写像と特異値分解によって解析し,2つの宇宙風化指標を得た.第1の指標は,マイクロインパクトなどの効果による揮発性元素の消失と難揮発性元素の濃集を表していると考えられる.問題点としては,第2の判別図では未風化岩石が岩系別にクラスターを形成して縁にプロットされ,宇宙風化を受けると中央に移動することから,インパクト等によるミキシング過程を表していると考えられる.プロットされる領域で宇宙風化作用の程度が判定できる.

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© 2011 日本鉱物科学会
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