ウォズリアイトのクリープ強度(粘性率)はマントル遷移層におけるダイナミクスを理解するために必要不可欠な物性である。ウォズリアイトは最大3 wt%もの水を取り込むことができ、加水軟化が起きるとするとマントル中の水の不均質分布が粘性率の不均質を引き起こす可能性がある。今回、私たちはマントル遷移層温度圧力条件下での含水ウォズリアイトのクリープ強度測定を可能にしたので実験結果を報告する。高温高圧変形実験および放射光その場クリープ強度測定はSPring-8・BL04B1ビームラインにおいてDIA型変形装置(D-DIA)に6-6加圧方式を組み合わせて行い、15-16 GPa・1700 K・歪速度4-6 × 10^-5 s^-1において210-910 wt ppmの水を含むウォズリアイトのクリープ強度測定に成功した。予備的な結果によると含水量の増加にともない、約一桁のクリープ強度の低下が見られた。