日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2012年年会
セッションID: S1-01
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S1:大震災及び福島原発事故にかかわる環境有害元素の挙動を鉱物学から探る
福島県水田土壌中へのCs吸着実験
*小暮 敏博藤井 英子吉田 英人田村 堅志山田 裕久八田 珠郎
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抄録

今回我々は福島県飯館村の水田土壌に高濃度のCsを吸着させ、その吸着箇所をEPMA、 SEM-EDS、FIB、TEM-EDS等を用いて特定し、実土壌中のどのような粘土鉱物にCsが吸着しているかを知る手がかりをつかもうとした。その結果、EPMAの特性X線像でCsを最も強く吸着した鉱物はバーミキュライトとスメクタイト(組成的には鉄をかなり含むモンモリロナイト)であることがわかった。バーミキュライト中のCsの量はスメクタイトの2倍強となっていた。またバーミキュライト中のCsは層間に存在することがHAADF-STEM像より明らかになった。一方本土壌の主要な粘土鉱物であるカオリン鉱物には検出可能なCsの吸着は見られず、また白雲母にもCsは吸着されなかった。

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© 2012 日本鉱物科学会
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