今回我々は福島県飯館村の水田土壌に高濃度のCsを吸着させ、その吸着箇所をEPMA、 SEM-EDS、FIB、TEM-EDS等を用いて特定し、実土壌中のどのような粘土鉱物にCsが吸着しているかを知る手がかりをつかもうとした。その結果、EPMAの特性X線像でCsを最も強く吸着した鉱物はバーミキュライトとスメクタイト(組成的には鉄をかなり含むモンモリロナイト)であることがわかった。バーミキュライト中のCsの量はスメクタイトの2倍強となっていた。またバーミキュライト中のCsは層間に存在することがHAADF-STEM像より明らかになった。一方本土壌の主要な粘土鉱物であるカオリン鉱物には検出可能なCsの吸着は見られず、また白雲母にもCsは吸着されなかった。