抄録
スリランカはゴンドワナ超大陸形成時に2つの大陸衝突帯の交差点付近に位置していた地質体であり(例えばMeert, 2003),ゴンドワナ超大陸の形成過程の解明に重要な地域である.スリランカの変成岩は変成度,構成岩石,Ndモデル年代からWanni Complex (WC), Highland Complex (HC), Vijayan Complex (VC)の3つの岩体に区分されている(Cooray, 1994).本発表はWCとHCの変成岩に関して広域的な地球化学的特徴を明らかにするために,変成堆積岩17試料,変成火成岩28試料から全岩化学組成分析を実施した. 結果として,HCの変成岩は比較的珪長質な堆積岩および島弧的な火成岩を原岩とし,WCの変成岩は比較的苦鉄質な堆積岩および島弧的な火成岩を原岩とすることが推定された.各岩体の変成堆積岩の原岩種の違いは砕屑性ジルコン年代の相違と調和的であり,HCとWCの変成火成岩の地球化学的特徴は年代学的特徴と同様で,南インドのTrivandrum BlockとSouthern Madurai Blockのそれらにそれぞれ対比可能である.