抄録
地球のマントル最下部のD”層とよばれる領域の最上面の境界では地域によって密度が増加するもののバルク音速は低下するという逆相関関係が地震学的に観測されている。これらの変化はブリッジマナイト-ポストペロブスカイト相転移に起因すると第一原理計算に基づく理論的研究から推定されているが,実験的には実証されていなかった。本研究ではブリッジマナイトとポストペロブスカイトの実験データに基づく状態方程式から密度とバルク音速の逆相関関係を導くことを目的として,これらの相に対してより正しい微分特性を与えるキーン状態方程式を決定した。それぞれの相に対する2つのキーン状態方程式から相境界条件における密度とバルク音速を決定し比較したところ,相転移により逆相関関係が説明可能であることを明らかにした。