LD研究
Online ISSN : 2434-4907
Print ISSN : 1346-5716
ティーム・ティーチング体制の導入による問題行動の減少について
クラスワイドな支援と個別支援の関連性の検討
佐囲東 彰
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ジャーナル オープンアクセス

2016 年 25 巻 4 号 p. 463-475

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抄録
問題行動を示す対象児がいる通常の学級において,ティーム・ティーチング体制(以下,TT体制)を導入し,問題行動の減少を目指した。その際,①対象児の問題行動の減少に対するTT体制の有効性,②TT体制における,クラスワイドな支援と個別支援の関連性を検討することを目的とした。結果,TT体制が有効に機能し,問題行動が減少するためには,次の3つのステップが重要だと考えられた。第1ステップは,メイン・ティーチャーが学級全体に伝わる明確な指示・説明をすること。第2ステップは,メイン・ティーチャーとサブ・ティーチャーが連携した支援を実施すること。第3ステップは,対象児への個別支援を実施することであった。第1・第2ステップは,School- Wide Positive Behavior Support(Sugai & Hormer, 2002)におけるクラスワイドな支援に該当し,個別支援を実施する基盤となる学級経営を安定させた。以上のことから,TT体制は,問題行動の減少に効果があることおよびクラスワイドな支援を基盤とし個別支援を実施する支援過程の有効性が示唆された。
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© 2016 一般社団法人 日本LD学会
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