2019 年 28 巻 4 号 p. 474-483
本研究は,小学校通常の学級において,学級全体の児童を対象としたコンサルテーションの効果を検討することを目的とした。クライアントは,3年生26名,4年生39名,コンサルティは2名の担任教師,コンサルタントは特別支援教育を専攻する大学院生であった。X年4月からX年12月にかけて,2名の担任教師にそれぞれ1回ずつ30分間のコンサルテーションを行った。その結果,学級全体の児童の授業準備行動の達成率が上昇し,コンサルテーションの効果が示された。また,コンサルタントはコンサルティから本研究における社会的妥当性と介入手続きの受容性について高い評価を得た。今後の課題として,コンサルテーションの学校全体への波及効果やコンサルテーションの方法や評価を客観的に検証することが示された。