景観生態学
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長崎市南部のヒメボタル幼虫の局所空間分布を決定する環境要因とその生息場の林床景観的考察
田中 亘久保 昌俊奥貞 友佳子
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2023 年 28 巻 1-2 号 p. 119-124

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抄録

本研究では,長崎市南部にてヒメボタル幼虫の個体数調査と物理環境調査を行い,一般化線形混合モデルを用いて幼虫の生息数と環境要因との関係性を明らかにした.解析の結果,下層植生の被度とリター厚が多くのモデルで選択され,いずれも有意な正の相関を示した.本研究の調査地点は南向きの林縁にあり,南に面した箇所では陽光が差し込むとともに上部に樹冠が発達していたため下層植生が繁茂しつつリターが堆積した本種幼虫の好適環境を提供しているものと推測された.長崎県南部における本種の保全には,下層植生の被度とリター厚に着目した生息場の保全と林縁を中心に保全適地の探索を進めることが有効であると考えられた.

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© 2023 日本景観生態学会
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