景観生態学
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リモートセンシングと自然環境要因情報を用いた大縮尺による現存ブナ群落域の抽出と図化
氷ノ山, 扇ノ山を事例地として
松林 健一
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2007 年 11 巻 2 号 p. 113-124

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抄録

現存植生の分布を正確かつ迅速に大縮尺図化する方法の検討を目的として, 現存するブナ群落域の図化を鳥取県の氷ノ山, 扇ノ山山域を事例地として行った.まず標高, 傾斜, 斜面方位, 地形凹凸, 土壌乾湿度, 日射量, 積算温度を10m解像度に内挿補間したGISデータのレイヤを用いてブナ群落分の分布予測モデルを構築し, 潜在的にブナ群落が成立する領域を図化した.次に, 15m解像度のAsterセンサのリモートセンシングデータから作成した広葉樹林・針葉樹林レイヤにより広葉樹林域を抽出・図化し, 両者の重ね合わせによって現存のブナ群落域を図化した.作成したブナ群落域について, プロデューサー精度, ユーザー精度の2つの評価尺度を用いて精度評価を行ったところ, その精度は両者とも50%程度であった.ブナ群落およびその代償植生の広葉樹林域を比較対象とした場合のユーザー精度は70.5%であった.これらの精度検証から, 本研究の図化手法は, 現存ブナ群落の抽出・図化の精度は必ずしも十分とは言えないものの, 現存ブナ群落およびその代償植生の現存広葉樹林域の大縮尺図化には十分な精度であると考えられた.

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