2019 年 10 巻 1 号 p. 27-33
本研究では,リンパ節郭清を伴う乳房切除術を施行した乳がん患者144 例を対象に術後上肢機能の短期間で変化を検討した.リハビリテーションは手術前後に実施した.調査項目は,Disabilities of the Arm, Shoulder and Hand (DASH) について検討した.測定は,手術前,術後3 ヶ月で実施した.その結果,術後3 ヶ月では,術前と比較して23 項目(障害)のうち18 項目に困難感の回答が多く,7 項目(症状)のうち5 項目で症状ありの回答が多く認められた(p<0.05).したがって,乳がん術後患者は,退院後にも定期的な上肢機能評価やリハビリテーションが必要であることが明らかとなった.