2019 年 10 巻 1 号 p. 34-41
日本の診療データを使用してASD の診断年齢を種別に検討した.結果,解析対象者(7,779 名)の診断年齢は平均7.3±4.3 歳,最頻値3.0 歳,中央値6.0 歳であった.性比は3:1 であり男性に多かった.ASD の診断年齢に関して,全ての種別において性差は認められなかった.アスペルガー障害は他の種別と比べ,いずれも診断年齢が高く,診断される時期に明確なピークは示されなかった.年別の比較では,小児自閉症のみ早期に診断される経年変化が認められた.本研究は,アスペルガー障害の早期診断を可能にするためのシステムおよびツールの開発,小児自閉症に対する適切な早期の介入方法の開発およびサービス供給の必要性を示すものである.