抄録
EBMの概念の広がりとともに科学的根拠に基づいた診療ガイドラインの作成が世界的に行われている.作成された診療ガイドラインは広く普及させるため,多くの場合インターネット上での公開が行われている.本研究は診療ガイドライン情報をWeb上に提供するMindsサイトにおけるユーザビリティ調査の結果を分析することで,診療ガイドラインをWeb上に提供する上で,どのような課題があるのかを明らかにすることを目的とした.対象者はMindsサイトのユーザ登録者とし,調査はインターネット上で自記式アンケートに答える形で実施した.本研究よりWeb上の診療ガイドラインの公開はコンテンツの単なる公開だけでなく,普及や活用を意識した公開が重要であることが明らかとなった.特に,ガイドラインの利用者には医療者以外の者が含まれることを考慮したコンテンツの検索や表示機能が必要であることが示唆された.