医学検査
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技術論文
全自動尿中有形成分分析装置UF-5000の性能評価
橋本 綾田中 佳松本 正美永田 勝宏中川 静代柳田 善為飯沼 由嗣
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2017 年 66 巻 3 号 p. 255-265

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抄録

全自動尿中有形成分分析装置UF-5000の臨床検体における性能評価を行った。UF-5000及び前機種のUF-1000iについて尿沈渣との比較による性能指標(±1ランク一致率,感度,特異度)を算出した。対象検体は当院検査部に提出された1,300検体とした。検討項目は赤血球,白血球,上皮細胞,円柱,細菌の基本5項目と,病的円柱,結晶,酵母様真菌,精子,硝子円柱,扁平上皮細胞,非扁平上皮細胞の7項目である。尿沈渣と分析装置との相関において,多くの項目でUF-1000iよりUF-5000の性能指標が向上していた。特に赤血球において,±1ランク一致率がUF-1000iの89.7%からUF-5000の92.1%,感度が86.7%から90.8%,特異度が88.7%から90.3%と上昇した。また円柱においては感度が77.2%から89.4%,特異度が48.3%から51.9%と上昇した。加えて硝子円柱では感度が50.3%から84.1%,病的円柱では感度が78.6%から92.9%,特異度が58.9%から73.1%と上昇し,円柱全体について性能指標の改善がみられた。また基本5項目について分析装置間で大きく乖離した17例の詳細を確認した結果,15例においてはUF-1000iよりUF-5000が尿沈渣結果に近似しており,乖離の原因はUF-1000iにおける赤血球と結晶・脂肪滴・酵母様真菌との誤分類や,円柱と粘液糸の誤分類などであった。

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© 2017 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
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