医療安全対策委員会のIAレポート(incident accident report)の集計分析と検査技術科の年度安全目標からの業務改善の取り組み,ポジティブレポート(positive report)を紹介する。検査技術科での3年間のIAレポートと,病棟・外来・透析室での2年間の検査に係るIAレポートを集計分析した。科内ではIAレポートの問題点を情報共有し,業務改善に導くことができた。他部署での検査に係わる報告からは,臨床検査技師が病棟・外来・透析室で,検査の指示受け・採血管の準備・採血業務・検査説明などを行うことが,IAを未然に防ぐ可能性が示唆された。年度安全目標は業務改善の達成度を自己評価し,次年度の課題を見いだせた。ポジティブレポートはIAレポートの増加と安全に関わる他部署との連携につながる良いシステムと思われる。医療安全の継続と発展のためには,IAレポートを報告しやすい環境作り,自部署・他部署を問わず情報共有と状況改善の協同,レポートの集計分析から課題を導き,他部署(病棟・外来・透析室)とともに業務改善につなげることが重要である。