各個人の過去の複数の前回値による個体内変動を用いた個別データ精度管理システムを開発した。院内ネットワークへのトラフィック負荷を軽減するため,インデックス検索によって瞬時に過去の検査データを検索できるシステムを開発し,各個人の標準偏差,四分位偏差,前回値チェックによる検査過誤,偶発誤差の検出を試みた。コンピュータシミュレーションによるアクセス時間の比較実験でのインデックス検索は,逐次検索より瞬時に検索が可能であった。約4か月間における日常運用においても,インデックス検索による検索システムのアクセス時間は全ての測定項目で0.001未満~0.671秒であり,検索対象項目それぞれの平均値は0.025~0.119秒であった。約1年間運用した結果,SDI(standard deviation index),QDI(quartile deviation index)による個体内変動を用いた方法での警告出現率は4.55~6.35%,検査過誤検出率は3.83~6.90%であり,不要な再検や検査過誤の削減に有効であった。