2024 年 28 巻 1 号 p. 125-132
【目的】コロナ禍以降,看護師の労働力不足が問題から,他部署への支援を含めた医療マネジメントは非常に重要となっていた.本研究の目的は,手術室における他部署からの看護支援の現状と影響要因を明らかにすることである.
【方法】総合入院体制加算の要件に沿い,全身麻酔件数800件/年以上の865施設を対象とした多施設共同横断研究とした.
【結果】回答のあった244施設を解析した結果,他部署から手術室に看護支援が無い施設(以下,支援無群)は198施設(81.1%),看護支援がある施設(支援有群)は46施設(18.9%)であった.支援無群と支援有群は,許可病床数(p=.04),全手術室数(p<.01),稼働手術室数(p<.01),手術件数(p<.01),平均手術件数(p<.01),常勤麻酔科医師数(p=.01)について,有意な差がみられた.重回帰分析を行った結果,稼働手術室数(p<.01)と総手術室看護師数(p=.01)について有意な関連がみられた(Adjusted R2=0.364).
【考察】支援有群は,支援無群に比べて手術件数が多いにも関わらず,93.5%が手術室から他部署への看護支援も行っているという現状があることが明らかになった.特に,稼働手術室数と総手術室看護師数に関しては有意な関連が示され,手術室の運営における人的資源の重要性が強調された.