北ヨーロッパ研究
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研究ノート
ノルウェー・南サーメ地域における少数先住民族サーメ学校の変容と新たな課題―スウェーデンとの比較の観点から―
長谷川 紀子
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ジャーナル オープンアクセス

2016 年 12 巻 p. 67-76

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抄録

ノルウェー、ヌーラン県ハットフェルダル・コムーネ(kommune)に、少数先住民族サーメ児童・生徒のための基礎学校がある。1951年、国立の寄宿制サーメ学校として創立され、特に1980年以降、南サーメ言語・文化教育をノルウェーの普通教育に取り組んだ独自の教育を展開してきた。しかし、2000年以降、徐々に児童・生徒数が減少し、現在は通年の学校として機能していない。本稿の目的は、スウェーデンにあるサーメ学校と比較の観点から、学校の教育的特徴を分析し、児童・生徒数減少の要因と実情について明らかにすることである。学校は、現在、短期セミナーや遠隔教育を駆使して南サーメ言語・文化を伝承する役割を果たしている。しかし、通年で 通う児童・生徒を確保できないがために新たな課題に直面している。この学校は、今後どのような教育機関として位置づけられていくのだろうか。

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