動物心理学年報
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ダンゴムシにおける交替性転向反応
渡辺 宗孝岩田 清二
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1956 年 6 巻 p. 75-82

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抄録

(1) ダンゴムシにおいては交替性転向反応が明らかに認められる。
(2) 予め撰択的に転向させた場合と強制的に転向させた場合とでは, その後の撰択反応に差が認められない。
(3) 撰択反応に先んじて, 同じ方向に強制的に2回転向せしめた場合には, 1回だけ転向せしめた場合に比較して, 交替性が更に高率に現われる。
(4) 先行転向1回の場合には, 撰択点と先行転向点との間の距離が増すに従つて交替性が減少し, 距離を16cmにすると対照との問に有意の差が認められなくなる。
(5) 先行転向2回の場合には, 撰択点とその直前の転向点との間の距離を増大せしめたときのみならず, 両先行転向点間の距離を増大せしめても交替性が減少する。しかしこれらの場合直線路を16cmとしても, 猶その前の転向の影響が見られる。
(6) 以上の結果はいづれもHULLの反応性制止の原則を是認すれば, それから期待されることである。

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© 日本動物心理学会
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