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Print ISSN : 1346-4116
研究論文
政府への財政的依存と市民社会のアドボカシー
―政府の自立性と逆U字型関係に着目した新しい理論枠組み―
坂本 治也
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2017 年 17 巻 1 号 p. 23-37

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抄録

本稿は,補助金や委託事業収入などの政府からの公的資金収入に財政面で依存することが市民社会組織によるアドボカシーにいかなる影響を及ぼすのかについて,日本の事例を題材に検討を加える.本稿では,「市民社会組織に対する政府の自立性の程度」と「政府への財政的依存がアドボカシーに与える非線形的影響」という2点に着目することにより,新しい理論枠組みを提起したい.独立行政法人経済産業研究所の「平成26年度日本におけるサードセクターの経営実態に関する調査」のデータを用いた定量的分析の結果,1)政府の自立性の高低によって政府への財政的依存がアドボカシーに与える影響の方向性は異なること,2)政府への財政的依存は,ある一定レベルまではアドボカシーに好影響を与えるが,一定レベルを超えると逆にアドボカシーに悪影響を与えるようになる,という逆U字型の影響をアドボカシーに与えること,が明らかとなる.

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© 2017 Japan NPO Research Association
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