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Print ISSN : 1346-4116
研究論文
公益法人制度改革後の一般法人・公益法人の構成
―東日本大震災被災3県を事例として―
菅野 拓
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2019 年 19 巻 1+2 号 p. 91-99

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抄録

2013年から新しい公益法人制度が開始され,一般法人と公益法人が規定された.本論は,岩手県,宮城県,福島県における一般法人・公益法人全数へのアンケート調査の結果を用い,規模,非営利性,旧制度や官公庁との関係,東日本大震災への対応を例とした社会的課題への反応などからみて,一般法人や公益法人がどのような構成をとっているのかを明らかにすることから,今後の研究や施策上の示唆を得ることを目的としている.現在の一般法人や公益法人の構成は,外郭団体経験のある団体が4割程度含まれる大きな資産をベースとした公益法人と,比較的小規模な一般法人の混成したものである.また,社会的課題に反応して新規に設立された団体の多くの割合を非営利型一般法人が占める.非営利型一般法人は,今後の社会的課題に対応する人々の集合やその財産にとっての有力な器として評価すべきであると同時に,公益化へのインセンティブ設計の問題を提起する.

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© 2019 Japan NPO Research Association
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