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Print ISSN : 1346-4116

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耕作放棄地の解消に向けたNPOの取り組みによる粗放的な農地管理
―NPOが農地管理に果たす役割と可能性―
松岡 崇暢
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論文ID: NPR-D-18-00018

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抄録

本研究の問題意識は耕作放棄地を解消するために,地域の中で様々な活動に取り組むNPOが農地管理の担い手としてどのような役割を持つのか明らかにすることである.NPOの活動を通じた農地管理の実態や可能性を考究し,NPOが取り組むどのような活動が農地管理に効果的なのか,その影響や今後の展望を解明した.研究対象のNPOに対して定性的調査を実施し,農地管理の活動内容を踏まえ4つに類型化した.都市農村交流を推進し都市住民を巻き込んだ農地管理と複数の農地管理活動を展開し,農作物の販路を確保できた取り組みでは年間予算は大きくなっていた.NPOにおける労力の省力化が図れる,市民農園や景観作物の作付けによる農地管理は,広い農地面積を管理することができていた.NPOが農地管理を行うことによる地域への影響は,社会的に意義のある農福連携や継続的な農地管理の取り組みにより地域の信頼と理解を得られていた.生産性が低く経済性に乏しい粗放的な農地管理ではあるが,NPOが取り組むことで耕作放棄地の解消に一定の成果があることを明らかにした.

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© 2019 Japan NPO Research Association
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