2007 年 27 巻 3 号 p. 3_3-3_11
目的:検査を受ける患者の心身の苦痛を軽減する方法として,検査中に話しかける介入または話しかけながらタッチする介入で,患者の感じ方や気持ちに違いがあるかを明らかにすることである.
方法:胃内視鏡検査を受ける入院患者43名を話しかけ群21名と話しかけタッチ群22名に振り分け介入し,気分調査票を用いて検査前と検査中の気持ちを調査し,かつ自由な感想を得た.
結果:話しかけ群では検査前と検査中の気持ちに差はみられなかったが,話しかけタッチ群では,緊張や気がかりで落ち着かない気持ち(緊張と興奮),沈みがちな気持ち(抑うつ感)がやわらぎ,リラックスする気持ち(爽快感)が高まっていた(いずれもp<.05).また,両群とも看護者の介入に対し【苦痛に耐えるための心強い励まし】【身体的緊張の緩和】【精神的緊張のやわらぎと安心感】【自分に向けられた思いやり】を感じていたが,話しかけタッチ群では【親や家族がそばにいるようなぬくもりとやすらぎ】【好意に対するうれしさ】という感想が聞かれた.
結論:苦痛を伴う検査を受ける患者は,看護者により話しかけられながらタッチされるほうが,より検査を楽に受けられると考えられた.