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日本看護科学会誌
Vol. 29 (2009) No. 2 P 2_29-2_37

記事言語:

http://doi.org/10.5630/jans.29.2_29

研究報告

目的:アスベストばく露を受けた人々の不安およびうつ状態と病態像について検討した.
方法:アスベストばく露後関連病変の検査のために初めてA病院アスベスト外来を訪れた人を対象とした.調査内容は,診察前の不安,不安性格傾向,うつ状態,レントゲン所見,咳嗽や胸痛などのアスベストに関連する症状,年齢および初回ばく露から今回の受診までの期間で,それらの関係をみた.不安とうつ状態は,それぞれState-Trait Anxiety Inventory,Beck Depression Inventoryを使用した.
結果:受診者138名が分析対象となり,半数以上は診察前に強い不安を感じていた.診察前の不安は初回ばく露からの期間と有意な相関はみられなかった.自覚症状のある人はない人より診察前の不安が強く,うつ状態も強かった.「関連病変あり」群は「異常なし」群に比較し,自覚症状のある割合,診察前の不安,不安性格傾向,うつ傾向すべてにおいて有意に高い値を示した.不安性格傾向は,年齢,初回ばく露からの期間,症状との相関はなかった.
結論:受診者の半数以上が診察前に強い不安を感じていた.関連病変のみられた人は異常なしの人に比べ,不安およびうつ状態も強く,症状のある割合も高かった.これらの結果はアスベストばく露を受けた人々への精神面でのサポートの必要性を示唆するものである.

Copyright © 2009 公益社団法人 日本看護科学学会

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