2012 年 32 巻 1 号 p. 1_50-58
目的:FFS(Family Functioning Scale)日本語版の信頼性と妥当性を検討する.
方法:作成したFFS日本語版を用いて予備調査の後,3歳以下の乳幼児を養育中の母親501名を対象にFFS日本語版と属性からなる質問紙調査を行い,信頼性と妥当性を分析した.
結果:FFS日本語版はFamily APGAR Scoreとの有意な正の相関(Spearman's ρ=0.63,p<0.001)が見られた.因子分析の結果,6因子構造であることが確認され「情緒的絆と結束」「外部との関係」「家族規範」「役割と責任」「経済的資源」「コミュニケーション」と命名した.また全項目でのCronbach's α信頼性係数は0.90,下位尺度別でも0.70~0.86であり,内的一貫性が確認された.
結論:FFS日本語版の家族機能尺度としての基準関連妥当性が確認された.また尺度の構造と信頼性が確認され,養育期家族の家族機能測定用具としての有用性が示唆された.