日本看護科学会誌
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研究報告
「2型糖尿病患者の糖尿病イメージを見るための質問紙」作成と有用性の検討
—糖尿病イメージと糖尿病コントロールの関係から—
釜谷 友紀稲垣 美智子多崎 恵子
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キーワード: 2型糖尿病, イメージ, HbA1c, PAID, SCAQ
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2013 年 33 巻 3 号 p. 3_32-3_45

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抄録

目的:本研究は「2型糖尿病患者の糖尿病イメージを見るための質問紙」を作成し,その有用性を糖尿病イメージと糖尿病コントロールの関係性から明らかにすることで検討した.
方法:質的に導いた「2型糖尿病患者の糖尿病イメージ」から質問紙の原案を作成し,3施設の2型糖尿病患者を対象に調査(分析対象167名)を実施した.調査項目は,質問紙原案,糖尿病コントロール(代謝コントロール指標:HbA1c,QOL指標:糖尿病問題領域質問票(PAID),セルフケア行動指標:慢性病者のセルフケア能力を査定する質問紙(SCAQ))とした.分析は,探索的因子分析を行い,因子得点をもとにCluster分析で2型糖尿病患者を分類した.分類されたクラスタ別に糖尿病コントロールとの関係を検定比較した.
結果と考察:28項目7因子構造から成る「2型糖尿病患者の糖尿病イメージを見るための質問紙」を作成した.糖尿病イメージ7因子により対象は3つのクラスタに分類された.糖尿病コントロールにおいて,各クラスタとHbA1cに有意な関係性は認められなかったが,PAIDおよびSCAQ得点において各クラスタに差が見られ,本質問紙により糖尿病イメージを把握することの有用性が示された.

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© 2013 公益社団法人 日本看護科学学会
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