目的:学童期精神科閉鎖病棟に入院し,他者とうまく距離をとることができない発達障害の学童に対して,看護師がどのようにかかわっているのかを明らかにする.
方法:Leiningerの民族看護学の研究方法を用い,主に参加観察とインタビューを行った.主要情報提供者は看護師9名,一般情報提供者は学童6名とその家族6名,医療スタッフ5名であった.
結果:テーマ6つと大テーマ1つが抽出された.看護師は,子どもをありのまま受け止めて,子どもが距離の近さで訴える‘人とかかわりたい’思いを見極めていた.看護師が子どもに適切なかかわり方を教えたり看護師との間で子どもと大人との信頼関係を修復したりすることで子どもの思いに応えると,子どもは他の子どもとの遊びや思いの言語化ができるように変化していた.
結論:看護師は,子どもの対処方法の体得を支え,子どもの大人への信頼感やアタッチメントを修復することで,子どもの‘人とかかわりたい’思いに応える必要があると示唆された.