2015 年 35 巻 p. 155-165
目的:新生児集中治療室(NICU)の看護師が認識する家族中心のケア(FCC)の実践,利点,促進および阻害要因を明らかにする.
方法:便宜的に抽出された首都圏内の総合/地域周産期母子医療センター10施設のうち,承諾の得られた6施設のNICUの看護師12名を対象にフォーカス・グループ・インタビューを実施した.
結果:NICUの看護師が認識する〈FCCの実践〉として7つ,〈FCCの利点〉として4つ,〈FCC実践の促進要因〉として【FCCに関する教育の充実】【ケアの方針決定への参画しやすさ】【FCCに関するチーム活動】【FCCに対する医師の理解・協力】【FCC実践に対する家族からの肯定的な反応】の5つ,〈FCC実践の阻害要因〉として6つのカテゴリーがそれぞれ抽出された.
結論:FCCの実践を促進するためには,家族の面会時間の拡大やコミュニケーションスキル・FCCに関する新卒および継続教育の充実,看護管理者や医師を含めた組織的な取り組みとスタッフへの支援が重要である.