2016 年 36 巻 p. 19-26
本研究の目的は,「看護の教育的関わりモデル(TKモデル)」を活用した学習会・事例検討会による,看護実践に対する看護師自身の認識変化を明らかにすることである.この研究は,アクションリサーチの手法を用いて検討した.
研究方法は参加型アクションリサーチとして,A病院の看護師を対象に学習会・事例検討会を計11回開催した.学習会・事例検討会における参加看護師の発言内容をその意味の類似性と相違性から質的帰納的に分析した.
各回の参加者は3~8名であり,全回参加した看護師は1名であった.看護師の実践に対する認識の変化には,【実践過程から自己の教育的関わりの特徴や意義に気づく】,【患者の言動を通して生活者として患者の人物像を描く】,【チームで実践を進めるための草の根運動にめざめる】という3テーマが見出された.