日本看護科学会誌
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原著
両立支援的組織文化が職務満足度,組織コミットメント及び職業継続意思に及ぼす影響
―妻/母親役割を担う看護職を対象とした分析―
下條 祐也朝倉 京子
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2016 年 36 巻 p. 51-59

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抄録

目的:両立支援的組織文化が,妻/母親役割を担う看護職における職務満足度,組織コミットメント及び職業継続意思に及ぼす影響を検討すること.

方法:869名の看護職を対象に,無記名自記式質問紙調査を実施した.なお,分析対象者は妻/母親役割がある女性看護職とした.質問項目には,個人属性,両立支援的組織文化尺度看護師版,職務満足度,組織コミットメント,職業継続意思を用いた.

結果:766名(88%)より回答を得た.このうち,分析対象者である妻/母親役割のある女性看護職は335人だった.階層的重回帰分析の結果,(1)両立支援的組織文化は職務満足度を媒介し,職業継続意思を有意に強めていた.(2)両立支援的組織文化は組織コミットメントを媒介し,職業継続意思を有意に強めていた.

結論:両立支援的組織文化は,妻/母親役割を担う看護職の職務満足度及び組織コミットメントを高め,さらに職業継続意思も強めていた.よって,両立支援的組織文化の醸成は看護職の人材定着に寄与することが示唆された.

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© 2016 公益社団法人日本看護科学学会
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