日本看護科学会誌
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原著
特別養護老人ホーム入所者の終末期に関わる多職種チームケアの成果
―調査のミックス法から得たデータの質的帰納的分析より―
田中 克恵加藤 真由美
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2017 年 37 巻 p. 216-224

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抄録

目的:特別養護老人ホーム入所者の終末期に関わる多職種チームケアによって得られる成果とその構造を明らかにし,チームが目指す成果を検討する.

方法:専門職員を対象とした全国アンケート調査,職種別のフォーカス・グループ・インタビュー(FGI),多職種チームFGIによって得た質的データを質的帰納的に分析しカテゴリの関係を検討した.

結果:【本人が望んだ生活の維持と死】【本人と家族のよい関係】【家族の参加と不安の軽減】【他の入所者が死を肯定的に受け入れ】【チームケアの質の向上】【職員の成長と満足】【施設全体のケアの質の向上】の7カテゴリが見出された.【本人が望んだ生活の維持と死】【本人と家族のよい関係】【家族の参加と不安の軽減】【他の入所者が死を肯定的に受け入れ】【チームケアの質の向上】はチームケアによる直接的成果であり,残りの2カテゴリは間接的成果であった.

結論:直接的成果を指標に多職種チームで評価しケアを展開することで,よりよい終末期ケアの実施が期待できると示唆された.

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© 2017 公益社団法人日本看護科学学会
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