2017 年 37 巻 p. 234-243
目的:脳卒中リハビリテーション看護認定看護師(以下SRN)が活用の必要性を認識している,脳卒中患者に対する12脳神経を除いた全身のフィジカルアセスメント項目を明らかにし,臨床現場において望まれる実施到達度とその項目について検討することである.
方法:デルファイ法を用いて,全国のSRN126名に郵送で質問紙調査を3回行った.内容的妥当性と信頼性を検討した上で診査98項目を調査し,コンセンサスを示す同意率は51%に設定した.
結果:参加同意者は126名で,第1回調査105名・第2回調査86名・第3回調査87名から返信があり,実践レベルでは急性期62項目・回復期56項目,アセスメントレベルでは急性期32項目・回復期34項目がコンセンサスを得た.
結論:実践レベルの実施到達度が必要とされる項目は,脳卒中の発症に伴う機能障害の有無と程度,セルフケア能力をその場で看護師が判断すべき診査項目であることが示唆された.