2017 年 37 巻 p. 336-343
目的:病気を抱えながら就業した看護職の体験を記述することである.
方法:過去もしくは現在,病気を抱えながら6か月以上看護職として就業経験を持つ8名を対象に半構造化面接を実施し,質的記述的に分析を行った.
結果:12サブカテゴリーが得られ,最終的に【周囲の反応を汲み取る】【仕事と体調のバランスを模索する】【病気体験を看護職としての糧にする】【看護職への思いは揺るがない】【時には回り道しながら病気と歩む人生を受け入れていく】という5カテゴリーが抽出された.
結論:希望や状況に応じて上司や同僚と相談し合いながら体調管理をしつつ働ける方法を模索していく必要性が示された.また,病気を抱えながら働くという状況を多様な働き方の一つとして捉え,気遣い合える職場の雰囲気を構築していくことの必要性が示唆された.