日本看護科学会誌
Online ISSN : 2185-8888
Print ISSN : 0287-5330
ISSN-L : 0287-5330
原著
地域高齢者における体脂肪率,筋肉量,たんぱく質量,ミネラル量の握力低下への影響
―1年間の縦断的観察研究―
藤田 倶子菱田 知代丸山 加寿子
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2020 年 40 巻 p. 422-429

詳細
抄録

目的:地域高齢者の体組成と体成分の握力低下への影響を明らかにした.

方法:縦断的観察研究を実施した.地域高齢者2,671人のうちベースライン209人,1年後155人に体成分,体組成,握力を測定し,Asian Working Group for Sarcopenia 2019の基準でベースライン値を低SMI(skeletal muscle mass index),高体脂肪率,たんぱく質量不足,ミネラル量不足,サルコペニア肥満の有無に分類した.1年後に対応のあるt検定,反復のある分散分析を行った.

結果:男性(n = 60)の握力低下(η2 = .011, p = .014),ミネラル量不足(η2 = .123, p = .003)とその交互作用(η2 = .011, p = .018)がみられた.

結論:男性では,ミネラル量不足が1年後の握力低下に影響し,ミネラル量増加のための支援を検討する必要性が示唆された.

著者関連情報
© 2020 公益社団法人日本看護科学学会
前の記事 次の記事
feedback
Top