2021 Volume 41 Pages 556-566
目的:慢性疾患患者を対象としたピアサポート活動に従事する者の活動に対する負担感,満足感,サポート技術を測定する三つの尺度を開発し信頼性,妥当性を検討することを目的とした.
方法:国内でピアサポート活動を行う団体を通じピアサポーター140名に質問紙を配布し,作成した尺度,ピアサポート活動の状況,基本属性・健康状態への回答を得た.尺度の項目分析,確認的因子分析,基本属性,健康状態,ピアサポート活動の状況と尺度得点の関連性の分析を行った.
結果:64名から回答が得られた.満足感尺度の5項目で最大値に7割の回答が集中しており天井効果が疑われた.尺度は全て2因子構造で良好な適合度が得られた.負担感は活動頻度と,満足感は報酬の有無や不安と,サポート技術は心身の健康度と有意な関連がみられた.
結論:開発した尺度は構成概念妥当性と技術尺度の内容的妥当性に課題が残ったが,因子的妥当性,内的整合性は確認された.
Purpose: The objective of this study was to develop scales to measure sense of burden, satisfaction with activities, and the support skills of peer supporters who engage in peer support activities for people with chronic diseases, and to examine its reliability and validity.
Method: A questionnaire survey was conducted with 140 peer supporters in three peer support organizations in Japan. Participants were asked to respond to scales developed with reference to interviews and previous studies, as well as items related to demographic characteristics, disease characteristics, and characteristics related to peer support activities. The distributions of the responses to the scale items were examined. The factor structures were confirmed by confirmatory factor analysis. In addition, the relationship between demographic characteristics, disease characteristics, and characteristics related to peer support activities and scale scores were analyzed.
Results: Responses were obtained from 64 peer supporters of those with chronic diseases. In the five items of the satisfaction scale, the ceiling effect was suspected because 70% of the responses were concentrated on “agree,” which was the largest value, A good fit was obtained for the two-factor structure of the support skills, satisfaction, and burden scales. The burden was significantly related to frequency of activities, satisfaction to availability of rewards and anxiety, and support skills to physical and mental health.
Conclusion: Although the developed scale still had issues with construct validity and content validity of the technology scale, its factorial validity and internal consistency were confirmed.
糖尿病や関節リウマチなどの慢性疾患は完治が難しく,かつ治療・療養の大部分が患者に委ねられるため,自己管理の重要性が強調されている.自己管理は患者の日常生活に根ざしたものであるため,慢性疾患患者に対するケアは医療機関でのケアからコミュニティでのケアへと重点がシフトしており,医療専門職がすべてのケアニーズをカバーすることは難しくなっている.
こうした状況の中,慢性疾患患者に対するケアや教育の担い手として疾患を持つ患者本人を活用するピアサポートの取り組みがより重要性を増している.がん対策基本法に基づくがん対策推進基本計画(厚生労働省,2018)や,難病法に基づく「難病の患者に対する医療等の総合的な推進を図るための基本的な方針」(厚生労働省,2015)においても実施や実施のための人材育成の必要性が明記されるなど,政府の疾病対策においても重要な位置を占めつつある.
ピアサポートとは,「ある人のソーシャルネットワーク内のメンバーから提供される情緒的,評価的,情報的援助であり,その援助の提供者は対象集団に似た特性をもち,その集団の人が直面するまたは直面しうる健康問題を解決するための特定の行動やストレッサーに関する経験的知識を持つ」とされている(Dennis, 2003).ピアサポートは集団内での相互認識,経験の共有,帰属感覚を育みそれが直接的,間接的に心身の健康に良好な影響を与える.また,サポートを提供し他者を助けることで自分自身もエンパワーされる,ヘルパーセラピー効果(石川・久保,1998)が得られることがピアサポートの特徴的な点である.ピアサポートの効果は実証されてきており(Dale et al., 2008;Parry & Watt-Watson, 2010),保健医療分野での実践が進んでいる.
一方で,ピアサポートの実践上の課題として,サポートを提供するピアサポーターの確保が困難であること,患者自身がサポートを提供することで,時間的な負担や感情的な負担の影響が少なからずあること(Arnstein et al., 2002;Setoyama et al., 2011;Wright, 2000)が挙げられる.ピアサポート活動にはヘルパーセラピー効果(石川・久保,1998)のような有益な効果があるため負担感があっても,必ずしもピアサポーターの健康状態に悪影響を与えないとされているが,負担感がピアサポーターの活動継続を困難にし,安定したピアサポート提供の障害となっている.一方,活動に対する満足感の高さは活動の継続に関連すること(Omoto & Snyder, 1995),活動から得られる満足感のような社会情動的利益が精神健康の良好さにつながる(Tang et al., 2010)ため,満足感を高めることは活動継続および精神健康の維持増進に有益である.しかしながら,ピアサポーターがどの程度の負担感や満足感を持っているかは十分なデータが収集されておらず,負担感や満足感の状況,負担を軽減し,満足感を高める支援は十分に検討されていない.
活動による負担の軽減のためには一定の訓練を経てピアサポーターとしての技術を獲得する必要がある.しかし,ピアサポーターの訓練方法や技術の評価は個々の提供組織内で経験知としての蓄積や,効果の評価研究の一部に記載が少数ながらあるが(石橋,2016;日本サイコオンコロジー学会,2019),多数の訓練方法の効果を統合し,効果的な方法を検討できるほどの研究の蓄積はない.
これらに共通する課題としては,問題を定量的に把握することができる信頼性・妥当性が確認された汎用性のあるツールが確立していないことが挙げられる.活動に対する満足感や負担感を評価する尺度は,健康推進員等のボランティア活動(村山ら,2006)においては存在するが慢性疾患患者に適用できる尺度は国内には見当たらない.ピアサポート技術については,質的検討や研修を行っている団体独自の項目は散見されるが(蔭山,2012;糸井ら,2020),汎用性のある項目で量的データをもとに妥当性・信頼性を検討したものは国内では見当たらない.
以上を踏まえて本研究では,慢性疾患患者のためのピアサポート活動において,ピアサポーターが持つ負担感,満足感およびサポート技術の現状を明らかにする尺度を作成し,信頼性,妥当性を検討することを目的とした.
本研究では2014年3月から2015年1月にかけて自記式質問紙による横断調査を行った.本研究で想定する慢性疾患はがん,糖尿病,循環器疾患,難病,リウマチ性疾患等の継続的なケアが必要な疾患である.調査対象としてこれらの疾患全てをカバーすることが望ましいものの実現可能性は低かった.また,本研究で扱うピアサポート技術,活動に対する満足感や負担感は疾患特異的な側面は少なく,疾患横断的に適用できると考えられた.そのため,調査対象のリクルートは機縁により,病院を拠点とする乳がんサポートグループ,地域で上記のような慢性疾患を持つ人を対象とした交流・学習会を含むピアサポート活動を行うNPO法人,難病相談支援センターを拠点とする難病患者のピアサポート組織の3団体に依頼し,各団体の担当者を通じて所属するピアサポーターのうち連絡が取れる者全員(総勢140名)に質問紙を配布してもらった.
2. 調査項目 1) ピアサポート活動に対する負担感尺度・満足感尺度(以下それぞれ負担感尺度,満足感尺度)村山らによる「健康推進員活動における活動満足感,活動負担感尺度(村山ら,2006)」を原著者の許可を得て改変して作成した.活動負担感尺度は「活動のために,時間に追われる」などからなる「日常生活負担」,「活動内容が難しい」などからなる「精神的負担」と「活動の仕事量が多い」などからなる「活動量負担」の3因子14項目で構成される尺度である.活動満足感尺度は「活動が好きである」等からなる「活動愛着」と「活動を通して,自分自身が成長できる」等からなる「自己利益」の2因子9項目の尺度である.この尺度の対象である健康推進員活動は住民ボランティアであり,ピアの立場で住民と接する健康関連の活動であることなど,慢性疾患患者を対象としたピアサポートと共通点が多いことから利用可能と判断した.
本研究においては負担感尺度・満足感尺度の質問文の「推進員活動」を「ピアサポート活動」に変更した.負担感尺度の項目6「地域住民への働きかけが難しい」をピアサポート活動に合わせ「相談者や他の参加者とのコミュニケーションが難しい」とし,項目15として先行して実施した面接調査をもとに「ピアサポート活動に必要な事務作業が多い」という項目を追加した.質問には「そう思う(4点)」「まあそう思う(3点)」「あまりそう思わない(2点)」「そう思わない(1点)」の4件法で回答してもらった.尺度得点は 1項目あたりの平均とし,得点が高いほど,負担感・満足感が高いと解釈できるようにした.
2) ピアサポート技術尺度(以下技術尺度)本研究では,ピアサポート技術を「ピアサポート活動を継続的に行う上で必要なコミュニケーション,調整の技術」と操作的に定義し,ピアサポート提供組織で活動しているピアサポーターへのインタビューおよび先行研究(蔭山,2012)を参考に項目を作成した.インタビューは国内のピアサポート団体で活動する者10名を対象に行い,活動の中で使用している技術や困難への対処方法,活動を円滑に進めるために必要だと考えていることなどを半構造化面接により聞きとり,語りの内容を元に項目を作成した.項目は調査を実施する前に,調査を依頼する団体の代表者(ピアサポート活動を行う当事者2名,活動を支援する看護師)に確認してもらい,内容妥当性の確保につとめた.「相談者や他の参加者の話を聞く」「ピアサポート活動とそれ以外の生活(家庭,仕事など)を両立する」などの10項目に対して,「できないと思う(1点)」,「どちらかといえばできないと思う(2点)」,「どちらともいえない(3点)」,「どちらかといえばできると思う(4点)」,「できると思う(5点)」の5件法で回答してもらった.得点は1項目あたりの平均とし,得点が高いほど技術が高いと解釈する.
3) ピアサポート活動の状況ピアサポート活動を始めてからの期間(年),活動頻度,活動による報酬等の有無,活動について相談できる人の数,研修等への参加状況をたずねた.
4) 対象者の基本属性,健康状態基本属性として年齢,性別,教育,経済的な暮らし向き,収入を伴う仕事の有無,最も早く診断された疾患,慢性疾患が診断されてからの期間,健康状態として,健康状態の自己評価,Hospital Anxiety and Depression Scale(HADS)(東ら,1996)の合計得点,不安サブスケールおよび抑うつサブスケールの得点を用いた.
3. 統計解析対象者の基本属性,ピアサポート活動に関する特性の度数分布および記述統計量を算出した.尺度の項目分析として各尺度の各項目の度数分布およびItem-Total(IT)相関を確認した.項目の平均値と標準偏差をもとに天井効果・床効果の有無を判断し除外することは不適切(吉田ら,2012)とされていることから,そのような処理は行わず,各項目の最大値,最小値となるカテゴリへの回答の集中の程度をもとに検討した.IT相関については,0.3未満の項目を削除の候補とした.
次に各尺度の因子構造を因子分析により検討した.負担感尺度,満足感尺度は,村山ら(2006)で示された因子構造に対して確認的因子分析を行い,適合度を評価した.適合度が不良である場合は探索的因子分析および修正指数を参考にモデルを修正した.技術尺度の項目は因子構造の仮説を設定していなかったため,探索的因子分析を行い,解釈可能な因子構造を探索した.因子抽出は主因子法,回転はプロマックス法を用い,因子数は固有値とスクリープロットを参考に決定した.探索的因子分析により抽出された因子構造の候補それぞれに対して確認的因子分析を行い,適合度を比較して最終モデルを決定した.確認的因子分析の適合度はSRMR(Standardized Root Mean-Square Residual),CFI(Comparative Fit Index),RMSEA(Root Mean Square Error of Approximation),AIC(Akaike Information Criterion)を用い,SRMRは0.08以下,CFIは0.9以上,RMSEAは0.08以下を許容範囲とし,AICはモデル比較の際に値が低いモデルを良いモデルとした.尺度の信頼性の検討のため,最終モデルに基づく全項目と下位因子それぞれのクロンバックのα係数(以下α係数)を算出した.
最後に構成概念妥当性を確認するため,以下の仮説に基づき負担感尺度,満足感尺度,技術尺度の合計点およびそれぞれの下位因子の合計点と人口学的特性,社会経済的特性や健康関連特性,ピアサポート活動の特性の関連性を検討した.検討方法は二値変数の場合はWelchのt検定,量的変数の場合はPearsonの積率相関係数(以下r)の算出および無相関検定を用いた.
1) 負担感尺度仮説1.先行研究においてボランティア活動への参加時間が長すぎると生活満足度が低く,健康状態が悪化することが示唆されている(Van Willigen, 2000)ことから,活動頻度と負担感は正の関連があり,負担感と不安,抑うつは正の関連,健康状態の自己評価とは負の関連がある.
2) 満足感尺度仮説2-1.活動に対する満足感の高さと活動継続に関連がある(Omoto & Snyder, 1995)とされていることから,満足感と活動年数には正の関連がある.
仮説2-2.報酬等により活動への貢献を認められることは満足度の関連要因であることが先行研究(Cronise et al., 2016)により示されていることから,報酬を受け取っている者の方が満足感が高い.
仮説2-3.活動から得られる満足感のような社会情動的利益が精神健康の良好さにつながる(Tang et al., 2010)ことから,満足感の高さと不安・抑うつは負の関連がある.
3) 技術尺度仮説3-1.研修や相談事例の共有による学習はサポート技術を向上させることが予想されるため,研修参加や相談事例の共有をしている者で技術が高い.
仮説3-2.技術,特に「ピアとして可能な範囲で対応する技術」は活動による過度な負担を避けることにつながることや先行研究(小野ら,2007)でサポート提供は良好な健康状態と関連していたとされることから,技術は不安,抑うつと負の関連,健康状態の自己評価と正の関連がある.
以上の分析は回答者のうち,慢性疾患を持つ者を対象とし,可能な限り回答データを使うため,各分析に必要な変数に回答があるものは分析対象に含めた.解析はIBM SPSS Statistics Ver. 25およびIBM Amos Ver. 22を用いて行い,有意水準は両側5%とした.
4. 倫理的配慮本研究では対象者に文書で研究目的,方法,協力の任意性等を説明し,質問紙への回答をもって同意とした.本研究は,東京大学ライフサイエンス委員会倫理審査専門委員会(審査番号:13-140),岩手医科大学医学部倫理委員会(受付番号:H26-19)の倫理委員会の承認を得て行った.
質問紙調査には70名から回答が得られた(回答率50%).そのうち,慢性疾患をもつ64名を分析対象とした(有効回答率45.7%).表1に分析対象者の基本属性および特性を示した.平均年齢は51.8歳,女性が47名(73.4%)と多数を占め,教育は大卒以上の者が34名(53.1%)と多かった.慢性疾患は関節リウマチ,全身性エリテマトーデス等の骨格筋系・結合組織の疾患を持つ者が12名(18.8%)と最も多かった.ピアサポート活動に従事している期間の中央値は4.4年,活動頻度が月に1回以上の者が28名(43.8%),活動に対する報酬等がある者は29名(45.3%)であった.
度数 | (%) | ||
---|---|---|---|
年齢 | 平均値(標準偏差) | 51.8 | (13.0) |
性別 | 女性 | 47 | (73.4) |
教育 | 大卒以上 | 34 | (53.1) |
収入を伴う仕事の有無 | あり | 44 | (68.8) |
経済的な暮らし向き | 苦しい | 37 | (57.8) |
ゆとりあり | 27 | (42.2) | |
不安*1(range: 0~21) | 中央値(四分位範囲) | 7.0 | (3.0) |
抑うつ*2(range: 0~21) | 中央値(四分位範囲) | 3.0 | (4.0) |
最も早く診断された疾患 | 骨格筋系・結合組織の疾患 | 12 | (18.8) |
新生物 | 10 | (15.6) | |
内分泌・代謝性疾患 | 7 | (10.9) | |
神経系疾患 | 6 | (9.4) | |
循環器疾患 | 5 | (7.8) | |
呼吸器疾患 | 5 | (7.8) | |
消化器疾患 | 5 | (7.8) | |
皮膚疾患 | 5 | (7.8) | |
その他 | 9 | (14.1) | |
慢性疾患が診断されてからの期間(年) | 中央値(四分位範囲) | 15.0 | (21.0) |
ピアサポート活動に従事している期間(年) | 中央値(四分位範囲) | 4.4 | (5.4) |
活動頻度 | 月1回以上 | 28 | (43.8) |
活動による報酬等の有無 | あり | 29 | (45.3) |
活動について相談できる人の数(人) | 中央値(四分位範囲) | 4.0 | (2.0) |
*1:Hospital Anxiety and Depression Scale(HADS)不安サブスケールで測定.高いほど不安がある.
*2:HADS抑うつサブスケールで測定.高いほど抑うつ度が高い.
表2に各尺度の項目の回答の分布を示した.負担感尺度では,「ピアサポート提供者としての責任が重い」に「そう思う」「どちらかと言えばそう思う」と回答した者が32名(50%)であった.満足感尺度では全項目に対して9割以上が「そう思う」「まあそう思う」と回答していた.技術尺度は全項目で7割以上が「できると思う」「どちらかと言えばできると思う」と回答していた.
活動に対する負担感(range 1~4,平均値=1.9,標準偏差=0.5) 得点が高いほど負担感が強い |
そう思う | まあそう思う | あまりそう 思わない |
そう思わない | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1)ピアサポート活動の仕事量が多い | 2 | (3.1) | 12 | (18.8) | 30 | (46.9) | 20 | (31.3) | ||
2)ピアサポート活動は体力的にきつい | 1 | (1.6) | 14 | (21.9) | 30 | (46.9) | 18 | (28.1) | ||
3)ピアサポート活動をすると,精神的に疲れてしまう | 0 | (0.0) | 22 | (34.4) | 31 | (48.4) | 11 | (17.2) | ||
4)ピアサポート活動の活動内容が難しい | 1 | (1.6) | 15 | (23.4) | 32 | (50.0) | 16 | (25.0) | ||
5)ピアサポート活動の活動内容に興味が持てない | 0 | (0.0) | 2 | (3.1) | 23 | (35.9) | 38 | (59.4) | ||
6)相談者や他の参加者とのコミュニケーションが難しい | 0 | (0.0) | 14 | (21.9) | 30 | (46.9) | 20 | (31.3) | ||
7)ピアサポート提供者としての責任が重い | 9 | (14.1) | 23 | (35.9) | 21 | (32.8) | 10 | (15.6) | ||
8)ピアサポート活動組織内での人間関係が難しい | 3 | (4.7) | 15 | (23.4) | 26 | (40.6) | 20 | (31.3) | ||
9)ピアサポート活動は忙しい | 2 | (3.1) | 14 | (21.9) | 28 | (43.8) | 20 | (31.3) | ||
10)ピアサポート活動のために,時間に追われる | 2 | (3.1) | 12 | (18.8) | 27 | (42.2) | 22 | (34.4) | ||
11)ピアサポート活動のために,家事,買い物,仕事などに支障がある | 3 | (4.7) | 7 | (10.9) | 26 | (40.6) | 27 | (42.2) | ||
12)ピアサポート活動のために,自分の趣味や他の地域活動をする時間がない | 2 | (3.1) | 7 | (10.9) | 25 | (39.1) | 29 | (45.3) | ||
13)ピアサポート活動にかかる出費を負担に感じる | 4 | (6.3) | 8 | (12.5) | 22 | (34.4) | 29 | (45.3) | ||
14)ピアサポート活動をすることで,家族に迷惑をかけることがある | 4 | (6.3) | 15 | (23.4) | 15 | (23.4) | 30 | (46.9) | ||
15)ピアサポート活動に必要な事務作業が多い | 4 | (6.3) | 8 | (12.5) | 21 | (32.8) | 30 | (46.9) | ||
活動に対する満足感(range 1~4,平均値=3.6,標準偏差=0.4) 得点が高いほど満足感が強い |
そう思う | まあそう思う | あまりそう 思わない |
そう思わない | ||||||
1)ピアサポート活動は楽しい | 30 | (46.9) | 28 | (43.8) | 5 | (7.8) | 1 | (1.6) | ||
2)ピアサポート活動が好きである | 29 | (45.3) | 30 | (46.9) | 5 | (7.8) | 0 | (0.0) | ||
3)ピアサポート活動に喜びを感じる | 30 | (46.9) | 29 | (45.3) | 5 | (7.8) | 0 | (0.0) | ||
4)ピアサポート活動はやりがいがある | 34 | (53.1) | 28 | (43.8) | 2 | (3.1) | 0 | (0.0) | ||
5)ピアサポート活動の活動内容に関心が持てる | 41 | (64.1) | 23 | (35.9) | 0 | (0.0) | 0 | (0.0) | ||
6)ピアサポート活動を通して,学ぶことが多い | 55 | (85.9) | 9 | (14.1) | 0 | (0.0) | 0 | (0.0) | ||
7)ピアサポート活動を通して,自分自身が成長できる | 49 | (76.6) | 15 | (23.4) | 0 | (0.0) | 0 | (0.0) | ||
8)ピアサポート活動を通して,多くの人と知り合える | 49 | (76.6) | 14 | (21.9) | 1 | (1.6) | 0 | (0.0) | ||
9)ピアサポート活動の経験は,自分にとって有意義なものである | 49 | (76.6) | 15 | (23.4) | 0 | (0.0) | 0 | (0.0) | ||
10)ピアサポート活動をこれからも継続していきたい | 46 | (71.9) | 16 | (25.0) | 2 | (3.1) | 0 | (0.0) | ||
ピアサポート技術(range 1~5,平均値=4.1,標準偏差=0.5) 得点が高いほど技術が高い |
できると思う | どちらかと いえばできると思う |
どちらとも いえない |
どちらかと いえばできないと思う |
できないと思う | |||||
1)相談者や他の参加者の話を聞く | 29 | (45.3) | 30 | (46.9) | 4 | (6.3) | 1 | (1.6) | 0 | (0.0) |
2)相談者や他の参加者の問題に過度に巻き込まれないようにする | 24 | (37.5) | 26 | (40.6) | 10 | (15.6) | 4 | (6.3) | 0 | (0.0) |
3)相談者や他の参加者の問題を自分の力で解決できない場合,他の適切な人やサービスを紹介する | 23 | (35.9) | 26 | (40.6) | 11 | (17.2) | 2 | (3.1) | 2 | (3.1) |
4)初対面の相談者や参加者と打ち解ける | 13 | (20.3) | 36 | (56.3) | 11 | (17.2) | 4 | (6.3) | 0 | (0.0) |
5)相談者や他の参加者が自由に話せる雰囲気をつくる | 15 | (23.4) | 39 | (60.9) | 8 | (12.5) | 2 | (3.1) | 0 | (0.0) |
6)自分の体験を整理して話す | 20 | (31.3) | 30 | (46.9) | 9 | (14.1) | 4 | (6.3) | 1 | (1.6) |
7)相談者や他の参加者の語りに共感を示す | 24 | (37.5) | 35 | (54.7) | 4 | (6.3) | 1 | (1.6) | 0 | (0.0) |
8)自分の意見を相談者や他の参加者に押し付けない | 29 | (45.3) | 29 | (45.3) | 5 | (7.8) | 1 | (1.6) | 0 | (0.0) |
9)ピアサポート活動とそれ以外の生活(家庭,仕事など)を両立する | 20 | (31.3) | 31 | (48.4) | 9 | (14.1) | 4 | (6.3) | 0 | (0.0) |
10)新しく加わったメンバーに活動のやり方を教える | 17 | (26.6) | 29 | (45.3) | 14 | (21.9) | 4 | (6.3) | 0 | (0.0) |
表中の数値は全て度数(%)を表す.無回答は示していないため合計が100%にならない場合がある.
IT相関は負担感尺度の項目6「相談者や他の参加者とのコミュニケーションが難しい」のみ0.3未満であった.
3. 負担感尺度,満足感尺度,技術尺度の因子的妥当性検討した因子構造・適合度を図1に示した.負担感尺度は村山ら(2006)で示された3因子構造は適合度が不良であり,モデルの修正を試みたが適合度が許容水準に達しなかった.そこで,探索的因子分析により因子構造の候補を探索し,図1の修正モデルを検討した.どちらのモデルも許容水準となったが,修正モデル2の方が適合度が良好(CFI = .960, RMSEA = .065, AIC = 184.5)であること,因子の解釈可能性から,修正モデル2を採用した.このモデルでは,項目11,13,14はいずれも家庭に関する項目であること,項目11と7に関しては責任の重さが活動量の増加につながり他の活動に支障をきたすことから項目11と13,項目11と7,項目13と14に誤差相関を設定した.修正モデルに基づく尺度全体のα係数は.921,「日常生活負担」は.920,「心身の負担」は.804であった.
各尺度の因子構造
上段:活動に対する負担感尺度,中段:活動に対する満足度尺度,下段:ピアサポート技術尺度
負担感は項目の一部に欠損があるためSRMRは算出していない
SRMR: Standardized Root Mean-Square Residual, CFI: Comparative Fit Index, RMSEA: Root Mean Square Error of Approximation, AIC: Akaike’s Information Criterion
満足感尺度も村山ら(2006)で示された2因子構造は適合度が不良であり,項目5「ピアサポート活動に関心が持てる」を削除した.項目2,4の理由として順に項目6,7が想起されるため,項目2と6の間,項目4と7の間に誤差相関を設定した.修正により適合度が改善し,SRMR = .050,CFI = .988,RMSEA = .055,AIC = 58.3となった.修正モデルに基づく尺度全体のα係数は.900,「活動愛着」は.909,「自己利益」は.790であった.
技術尺度は「相談時のコミュニケーション技術」,「ピアとして可能な範囲で対応する技術」の2因子構造が最も適合度が良好であった(SRMR = .064, CFI = .946, RMSEA = .073, AIC = 88.2).項目4,項目10ともに新しいメンバーとの関係に関するものであることから誤差相関を設定した.尺度全体のα係数は.837,「相談時のコミュニケーション技術」は.797,「ピアとして可能な範囲で対応する技術」は.753であった.
4. 各尺度,下位尺度の得点と対象者の属性,ピアサポート活動特性の関連表3に各尺度の得点と対象者の属性の関連性の分析結果を示した.負担感尺度全体では,活動頻度が月1回以上の者で有意に得点が高かった(P = .049).下位尺度は,「日常生活負担」と有意な関連が見られたものはなかった.「心身の負担」は活動頻度が月1回以上の者は有意に得点が高かった(P = .025).
ピアサポート活動に対する負担感 | 全体 | 日常生活負担 | 心身の負担 | ||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
度数 | 平均 | 標準偏差 | P値 | 度数 | 平均 | 標準偏差 | P値 | 度数 | 平均 | 標準偏差 | P値 | ||||
活動頻度 | 月1回未満 | 36 | 1.79 | 0.48 | .049 | 36 | 1.71 | 0.56 | .100 | 36 | 1.88 | 0.48 | .025 | ||
月1回以上 | 27 | 2.07 | 0.59 | 27 | 2.01 | 0.81 | 28 | 2.20 | 0.58 | ||||||
不安 | 度数,r,P値 | 62 | .183 | .154 | 62 | .118 | .360 | 63 | .206 | .105 | |||||
抑うつ | 度数,r,P値 | 63 | –.024 | .852 | 63 | –.048 | .711 | 64 | .026 | .836 | |||||
健康状態の自己評価 | 度数,r,P値 | 63 | .109 | .395 | 63 | .139 | .278 | 64 | .071 | .578 | |||||
ピアサポート活動に対する満足感 | 全体 | 活動愛着 | 自己利益 | ||||||||||||
度数 | 平均 | 標準偏差 | P値 | 度数 | 平均 | 標準偏差 | P値 | 度数 | 平均 | 標準偏差 | P値 | ||||
報酬の有無 | 受け取っている | 29 | 3.74 | 0.34 | .015 | 29 | 3.65 | 0.46 | .011 | 29 | 3.84 | 0.29 | .188 | ||
受け取っていない | 34 | 3.51 | 0.41 | 34 | 3.32 | 0.54 | 34 | 3.74 | 0.36 | ||||||
活動年数 | 度数,r,P値 | 63 | .061 | .637 | 63 | .022 | .867 | 63 | .144 | .261 | |||||
不安 | 度数,r,P値 | 63 | –.387 | .002 | 63 | –.360 | .004 | 63 | –.315 | .012 | |||||
抑うつ | 度数,r,P値 | 64 | –.223 | .077 | 64 | –.150 | .236 | 64 | –.280 | .025 | |||||
ピアサポート技術 | 全体 | 相談時のコミュニケーション技術 | ピアとして可能な範囲で 対応する技術 |
||||||||||||
度数 | 平均 | 標準偏差 | P値 | 度数 | 平均 | 標準偏差 | P値 | 度数 | 平均 | 標準偏差 | P値 | ||||
独自の研修への参加 | なし | 7 | 4.09 | 0.46 | .919 | 7 | 4.10 | 0.64 | .794 | 7 | 4.07 | 0.43 | .778 | ||
あり | 57 | 4.11 | 0.52 | 57 | 4.16 | 0.52 | 57 | 4.02 | 0.70 | ||||||
外部研修への参加 | なし | 38 | 4.01 | 0.52 | .069 | 38 | 4.04 | 0.53 | .027 | 38 | 3.96 | 0.68 | .374 | ||
あり | 26 | 4.24 | 0.48 | 26 | 4.33 | 0.47 | 26 | 4.12 | 0.68 | ||||||
相談事例共有への参加 | なし | 28 | 3.96 | 0.51 | .051 | 28 | 4.03 | 0.54 | .093 | 28 | 3.86 | 0.63 | .080 | ||
あり | 36 | 4.21 | 0.49 | 36 | 4.25 | 0.50 | 36 | 4.15 | 0.69 | ||||||
不安 | 度数,r,P値 | 63 | –.411 | .001 | 63 | –.321 | .010 | 63 | –.412 | .001 | |||||
抑うつ | 度数,r,P値 | 64 | –.395 | .001 | 64 | –.237 | .060 | 64 | –.476 | .000 | |||||
健康状態の自己評価 | 度数,r,P値 | 64 | .272 | .030 | 64 | .128 | .313 | 64 | .368 | .003 |
注:二値変数との関連性の検定はすべてWelchのt検定,rはPearsonの積率相関係数
満足感尺度全体では報酬を受け取っている者(P = .015)で有意に高く,不安(r = –.387, P = .002)と有意な相関がみられた.下位尺度は,「活動愛着」は全体と同様の傾向で,「自己利益」は不安,抑うつと有意な負の相関(順にr = –.315,P = .012,r = –.280,P = .025)が認められた.
技術尺度全体では,不安(r = –.411, P = .001),抑うつ(r = –.395, P = .001)と有意な負の相関がみられ,健康状態の自己評価とは有意な正の相関がみられた(r = .272, P = .030).下位尺度と属性の関連も同様の傾向であった.
本研究では慢性疾患患者のケアにおいて重要性を増しているピアサポート活動の運営に関わる者の活動に対する負担感,満足感,サポート技術を測定する尺度の開発を目的に,国内で活動するピアサポーターを対象に調査を行った.以下,項目分析,因子構造と信頼性,構成概念妥当性の観点から考察する.
1. 項目別の回答の分布満足感尺度は「そう思う」「まあそう思う」に,技術尺度は「どちらかといえばできると思う」「できると思う」という選択肢に回答が偏っていた項目が散見され,天井効果が疑われた.特に7割以上が「そう思う」と回答した満足感尺度の項目6から10は天井効果が強いと考えられた.天井効果のある項目は研修等の介入による変化を捉える際には特に問題があることから,そのような用途で使用する際には削除を検討する必要がある.ピアサポート活動はボランティアベースの活動であり,技術の高い者,活動に興味や関心を持ち満足感を持つ者が継続して関わっているためこのような結果になったと考えられる.
2. 各尺度の因子構造および信頼性負担感尺度は参考にした村山ら(2006)の健康推進員活動の因子構造とは異なる構造が採択された.村山ら(2006)では活動量負担に属する項目であった「ピアサポート活動の仕事量が多い」「ピアサポート活動は忙しい」は本研究では「日常生活負担」に属し,「ピアサポート活動は体力的にきつい」は「心身の負担」に属する構造であった.この結果は村山ら(2006)の対象者は非常勤職や無職の者が多かったのに対して,本研究の対象者は約7割が収入を伴う仕事を持つ者であり,活動の時間的な負担が直接日常生活の負担に反映されること,本研究の対象者は慢性疾患患者であり,体力的な負担は心身の負担とつながりが強いことによるものと考えられる.このように因子構造は解釈可能であり,適合度も良好な水準であったことから本尺度も一定の因子的妥当性が確認できたものと考えられる.尺度全体,下位尺度のα係数も十分な水準に達しており,信頼性も確認できたと言える.
満足感尺度は,参考にした村山ら(2006)が開発した健康推進員活動における活動満足度尺度の因子構造とほぼ同様であり,適合度も良好であった.尺度全体および下位尺度のα係数も十分な水準であり,本尺度の因子的妥当性,信頼性は確認できたと言える.
技術尺度は,「相談時のコミュニケーション技術」および「ピアとして可能な範囲で対応する技術」の2因子が抽出され,確認的因子分析においても良好な適合度が得られた.この2因子は操作的定義と合致する.ピアサポートを提供する際の技術としては,本研究で得られたような,自身の経験を伝えたり,相手に共感を示すなどの相談時のコミュニケーション技術や,自分自身の健康状態を優先したり,解決できない場合に適切なサービスや専門家を紹介する等のピアの限界を理解し対処する技術が使われているとされている(蔭山,2012;糸井ら,2020).これらの技術要素はピア教育の実施プロセスの評価指標にも含まれているほか(蔭山ら,2015),ピアサポーターの養成研修のテキストにも含まれており(日本サイコオンコロジー学会,2019),ピアサポーターに必要かつ重要な技術を表していると言える.以上より,本尺度の因子的妥当性は確認できたと考えられる.尺度全体および本研究で抽出された因子構造に基づく下位尺度のα係数は十分な水準であり,信頼性も確認できたと言える.
3. 尺度の構成概念妥当性負担感尺度は活動頻度が多い者で負担感が有意に高く仮説と合致したが,心身の健康状態との関連は仮説とは合致しなかった.本研究では全体として負担感の水準が低く健康状態との関連が見られなかった可能性,負担感が高まることで健康状態が悪化する者がいる一方で,健康状態が良くない者は負担が大きい活動ができないため両者が打ち消し合って関連が見られなかった可能性が考えられた.負担感尺度は活動頻度との関連においては仮説通りであり,健康状態との関連は解釈可能ではあるが,更に検討が必要であると考えられた.
満足感尺度は,報酬があること,不安と有意に関連しており,有意ではないが抑うつと弱い負の相関がみられ,概ね仮説と一致した.一方で活動年数とは有意な関連はみられなかった.これは満足感が低い者は活動を継続せず,調査対象になりにくいためと解釈できるが,設定した全ての仮説通りとはならず構成概念妥当性には課題が残った.
技術尺度得点は,不安,抑うつと有意に関連しており,外部研修や相談事例共有への参加をしている者で得点が高い傾向が認められ,概ね仮説と合致した.一方で独自の研修への参加とは有意な関連はなかった.独自研修は対象者の大部分が参加しており,参加していない者も外部の研修を受講するなどして補完されていたことから差が出なかった可能性がある.以上のように仮説と完全には一致せず,構成概念妥当性には課題が残った.
4. 本研究の限界と今後の課題本研究では慢性疾患患者を対象としたピアサポート活動に参加するピアサポーターの活動に対する負担感,満足感,サポート技術を測定する尺度を開発し,信頼性,妥当性を検討した.これらの尺度はピアサポーターの負担感,満足感,サポート技術を可視化するものであり,今後のピアサポート活動の発展に重要な役割を果たすと考える.一方で本研究には以下のような限界が存在する.まず,本研究の対象者は機縁により依頼した団体に所属するピアサポーターであり偏りがあること,サンプルサイズが大きいとは言えない点が挙げられる.そのため,主に満足感尺度で認められた回答の偏りがピアサポート活動の特性によるものか,対象の偏りによるものか判別できず,項目の取捨選択を積極的に行うことができなかった.また,COSMINガイドライン(Mokkink et al., 2019)では,因子分析のサンプルサイズは項目数×7かつ100以上であることが理想とされており,本研究は“Doubtful”とされる水準であった.以上から,本研究の結果の一般化には注意を要する.また,本研究ではピアサポーターにインタビューを行い,項目をピアサポーターや活動を支援する専門職に確認するなど項目の内容妥当性,回答可能性の確保につとめたが,当事者や専門家を対象とした予備調査や定量的な評価は行わなかった.また,本研究では再テスト信頼性の検討は行わなかったため,今後検討する必要がある.
今後はより多くのピアサポーターを対象として,本研究の結果の再現性を確認する必要がある.その上で,本研究で開発した尺度を用いて,ピアサポーターの技術や活動に対する満足度,負担感の状態を把握し,技術や満足感をより一層高め,負担感を軽減するための支援方策を検討し実施することが期待される.
本研究では慢性疾患患者を対象としたピアサポート活動に従事する者のサポート技術,活動に対する満足感,負担感を測定する尺度を開発し,信頼性,妥当性を検討した.その結果,構成概念妥当性および技術尺度の内容的妥当性には課題が残るが,因子的妥当性,信頼性のうち内的整合性は確認された.
付記:本研究の内容の一部は第35回日本看護科学学会学術集会で発表した.
謝辞:本研究はJSPS科研費JP23730515の助成を受けたものです.本研究にご協力くださったピアサポート団体の皆様に深くお礼申し上げます.また,本論文の作成にあたりご助言,ご協力いただいた,聖路加国際大学の中山和弘先生,慶應義塾大学の大坂和可子先生に深くお礼申し上げます.
利益相反:本研究における利益相反は存在しない.