2022 年 42 巻 p. 31-39
目的:就労介護者の仕事と家庭役割間との葛藤とケアマネジャーによる就労継続支援の判断および就労介護者の特性との関連を明らかにする.
方法:対象者は,全国の居宅介護支援事業所を利用する就労介護者とその担当ケアマネジャー各3,000名とした.郵送で無記名自記式調査を実施し,各対象者 696名(有効回答率23.2%)を分析対象とした.就労介護者から,ワーク・ファミリー・コンフリクト(WIF・FIW)等を把握し,ケアマネジャーから,介護者の就労継続のための支援の判断等を把握した.
結果:就労介護者の平均年齢は57.2(SD8.8)歳で女性が79.3%であった.ロジスティク回帰分析の結果,ケアマネジャーが心理的支援の必要性が高いと判断している就労介護者はWIFが高かった.
結論:ケアマネジャーが心理的支援の必要性があると判断する就労介護者は,就労により家庭役割を遂行する上で葛藤を抱えていることが明らかになった.