目的:継続的な就業を維持・促進するための人的マネジメントのあり方への示唆を得るために,長野県内の介護老人保健施設で働く女性の介護・看護職員の感情労働と自己効力感および職務継続意向の関係を明らかにした.
方法:郵送自記式質問紙法で実施した.分析対象は554名(介護職333名,看護職221名)で,共分散構造分析を行った.
結果:介護職では,『感情労働尺度日本語版』の「強度」と「感情への敏感さ」が職務継続意向と関係していた(GFI = .883, AGFI = .414).しかし看護職では,感情労働,自己効力感ともに職務継続意向との関係性は確認できず,両職種間で相違がみられた.
結論:結果をもとに人的マネジメントのあり方を検討した結果,介護職に対しては,若い職員が周囲に相談しやすい人的環境と教育システムを整備すること,看護職に対しては,ケア・就労環境や介護・看護職との協働体制の整備・強化の必要性が示唆された.