日本看護科学会誌
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原著
日本のCOVID-19禍における周産期うつの実態とその関連要因
堀口 範奈中澤 港松島 みどり
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2022 年 42 巻 p. 509-517

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抄録

目的:周産期うつの実態,関連する要因について,COVID-19流行禍の社会的影響を踏まえ検討する.

方法:2020年10月オンライン自記式質問紙調査を行い妊婦739名,産後1年未満の母親1,603名から回答を得た.

結果:周産期うつ高リスク者は,妊娠期108名(14.6%),産後1年未満351名(21.9%)であった.COVID-19禍の経験として,『子供を公共の場に連れていくことに対する批判の経験』は18.1%,『収入減少』は38.0%,『COVID-19罹患への恐怖』は77.2%であった.ロジスティック回帰分析の結果,周産期うつ高リスクと関連がみられた項目は,精神疾患既往,最終学歴,母児の健康問題,COVID-19の社会的影響であり,時期や分娩歴により異なった.

結論:COVID-19禍において妊婦や母親の周産期うつが増加しており,COVID-19の社会的影響を考慮したケアの必要性が示唆された.

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