日本看護科学会誌
Online ISSN : 2185-8888
Print ISSN : 0287-5330
ISSN-L : 0287-5330
原著
検査・処置時における子どもの権利擁護に関する小児病棟看護師の働きかけ
長友 恵莉村上 京子
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2023 年 43 巻 p. 242-251

詳細
抄録

目的:小児病棟看護師が検査・処置時の看護において,子どもの権利擁護のために実践している看護実践プロセスを明らかにする.

方法:小児病棟経験5年目以上の看護師20名に対し,子どもの権利擁護の場面について半構造化面接調査を行い,グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて分析した.

結果:《子どもが検査・処置に取り組めそうかの見極め》をしながら【子どもが検査・処置になじめるケアの働きかけ】を行っていた.《恐怖心を減らす関わり》や《頑張ろうと揺れる気持ちを待つ》ようにし,子どもが納得して処置に取り組めるようになり〔権利擁護できた関わり〕となった.業務の都合や看護師の捉え方により〔権利擁護できなかった関わり〕となる場合もあった.

結論:看護師は検査・処置時の状況を多角的に捉えて子どもができそうか見極め,子どもが主体的に検査・処置に取り組みなじめるように看護実践しているプロセスが明らかとなった.

著者関連情報
© 2023 公益社団法人日本看護科学学会
前の記事 次の記事
feedback
Top