2023 年 43 巻 p. 644-653
目的:育児のために短時間正職員制度を利用している看護師が,働く上で,どのようなものが就業継続を可能としている原動力になっているかを明らかにする.
方法:東海圏内の200床以上の病院に勤務している短時間勤務看護師11名を対象とし,半構造的面接を実施し,質的帰納的に分析した.
結果:短時間勤務看護師の働く上での原動力として,【短時間勤務であっても変わらぬ看護師としての思い】【職場で自分が必要とされているとの実感】【短時間勤務で働くことを前向きにしてくれる周囲の存在】【ワークライフバランスの充実を支援する職場環境】【生活を維持できる安定した給与体系】の5カテゴリーが抽出された.
結論:短時間勤務看護師の働く上での原動力は,専門職としての自律性,人との関わりから得られる自尊感情,仕事と生活の調和を可能にする環境,生活を維持できる安定した給与体系であった.