目的:COVID-19拡大によって約2年に亘り看護研究活動が停滞している状況から,看護系大学教員の研究活動上の肯定的変化と関連要因を探索する.
方法:日本看護科学学会会員を対象に2022年3月に実施されたWeb質問紙調査に同意した899名のうち,「肯定的な変化」等の自由記載項目に回答した看護系大学教員355名の記述内容について質的内容分析を行った.
結果:肯定的変化として,【研究活動上の選択肢の拡大】,【仕事や研究活動に関する価値の捉え直し】等の5カテゴリ,関連要因として,【研究関係者とのつながりの維持】,【COVID-19を契機とする働き方や生活環境の変化】等の7カテゴリが明らかになった.
結論:看護系大学教員はCOVID-19に関する経験を通して,オンラインやデジタル技術を活用しながら,研究活動の効率化やコミュニケーションの促進を認識していた.研究関係者とのつながりやテレワーク活用の継続性との関連が,研究活動上の肯定的変化をもたらすことが示唆された.