日本看護科学会誌
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Spirituality評定尺度の開発とその信頼性・妥当性の検討
比嘉 勇人
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2002 年 22 巻 3 号 p. 29-38

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抄録

本研究ではspirituality評定尺度を開発し, その信頼性と妥当性を検討することを目的とした. spiritualityについては,“何かを求めそれに関係しようとする積極的な心の持ち様と自分自身やある事柄に対する感じまたは思い (「意気・観念」)”と規定した. この構成概念に基づいて作成された20項目5件法の質問紙を大学生385名に実施し, 382名 (女性,20.12±1.10歳) から有効回答が得られた. 統計的に不適切な項目を除外後, 最尤法-プロマックス回転による因子分析を行った. その結果, 最終的に15項目5因子が得られ, 第1因子より順に『自覚』『意味感』『意欲』『深心』『価値観』と命名された. これをspirituality評定尺度(SRS)とした. 因子抽出後の累積寄与率は52.80%であった. 信頼性については, クロンバックのα係数0.82と再検査法-信頼性係数0.72で確認された. また妥当性については, 内容的妥当性は2因子モデルで, 収束的妥当性は抑制・成長不安尺度, 無力感尺度, 充実感尺度で, 弁別的妥当性は宗教観尺度で, 併存的妥当性は気分プロフィール検査 (日本版POMS) の抑うつ-落込み尺度で確認された. 以上の結果から, SRSは実用可能な尺度であると判断した.

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