2011 年 42 巻 3 号 p. 202-208
地下排水槽に起因する硫化水素ガス等による悪臭(以下,ビルピット臭気)が都心部・繁華街を中心に発生しており,その解消を目指して名古屋市上下水道局では,平成18年度より「予防型臭気対策」を進めている.予防型臭気対策の一環として実施した面的な臭気調査では,約6割の地下排水槽を臭気発生源として特定し改善働きかけを行ったが,一方で大半の地下排水槽では直ちに根本的な臭気対策を行うのが困難であることも分かってきた.今後は,粘り強く改善を働きかけるとともに,PR活動の継続や行政指導に向けた検討によりビルピット臭気の解消を目指している.